言葉以外の情報を手がかりに他者の心理を読み解くコミュニケーションのことをノンバーバルコミュニケーションと言います。
非言語情報として、身振り、表情、スタイル、容貌、皮膚の色、匂い、接触行動、距離感などがあります。
この非言語コミュニケーションを通して、受け手が送り手のことを判断することをディコーディング(解読化)と言い、
逆に、
送り手が受け手に対する態度を示すことエンコーディング(記号化)と言います。
一般的に、男性よりも女性のほうがディコーディング力があり、
またエンコーディングも男性よりはっきり行う傾向があるとされています。
女性が恋人のしぐさから浮気を見破ったり、嫌な人に露骨に嫌な態度をとったりするのはその性質からだと言われています。
この非言語コミュニケーションの中にパーソナルスペースというものがあります。
パーソナルスペースとは?
親しく人と付き合うために必要な距離感です。
エレベーターや電車の中でたくさんの人で混み合っていて、もっと自分から離れてほしいと感じたことはないでしょうか?
これがパーソナルスペースです。 人間は無意識のうちに相手との親密度に応じて、自分との距離を許す心理的距離を使い分けています。言い換えれば人は誰もが一種のなわばり空間を持っているということです。
動物が自分の暮らしているスペースを必死に守ろうとするように、人間もあまり親しくない人には自分の縄張りに入ってほしくないと感じているのです。
その距離を専門的に調べて発表したのがアメリカの文化人類学者エドワード・ホールです。
彼はこのような人間の空間に対する行動をプロクセミックスと呼び、
人間の心理的距離を密接距離、(家族、恋人、親友) 個人距離(友人、知人) 社会距離(仕事相手)公衆距離(見ず知らずの人)の四つに分け、さらにそれぞれの接近距離と遠方距離の二つに分けました。
公衆距離(360cm~)
接近相(360~750cm)
簡単な受け答えなら可能だが、個人的な関係を築くのは難しい。
遠方距離(750cm~)
身振りでのコミュニケーションが主体になる。言葉の細やかなニュアンスが伝わらない。講演などで使われる。
社会距離(120~360cm)
接近相(120~210cm)
微妙な表情の変化を読み取ったり、体に触れることはできない。上司、同僚など、仕事仲間と過ごすのに適切な距離。
遠方相(210~360cm)
体を触れ合わせることはできないが、全体的な姿を見ることはできる。オフィシャルな場で用いられる。
個人距離(45~120cm)
接近相(45~75cm)
夫婦や恋人以外がこの距離まで踏み込むと気持ちを勘違いされやすい。手を伸ばせば相手を捕まえたり抱きしめたりできる。
遠方距離(75~120cm)
お互いに手を伸ばせば、指先が触れ合うギリギリの距離。個人的な要望や用件を伝えるのに使われる。
密接距離(0~45cm)
接近相(0~15cm)
息づかいまで伝わる。特別な二人だけの距離。体と体でのコミュニケーションが主体になる。
遠方相(15cm~45cm)
他人が電車なのでこの距離まで近づくと、違和感とストレスを感じる。家族や恋人のための距離
このように、親しく付き合うには適切な距離があります。
また、このパーソナルスペースの距離は人によって個人差があります。
一般的に男女で比べた場合、
男性の方がパーソナルスペースが広く、女性の方が狭いとされています。
性格的には内向的な人の方がパーソナルスペースが広く、外交的な人の方が狭い傾向にあるようです。
好かれる人はこのパーソナルスペースをわきまえていて距離感を絶妙に使い分けているのです。