努力と成功と幸福感には以外な関係があるようです。
ポジティブ心理学によると、
その方法は、今までとは努力の使い方が少し違うようです。
ポジティブ心理学とは?
個人や社会を繁栄させるような強みや長所を研究する、近年注目されている心理学の一分野である。ただ精神疾患を治すことよりも、通常の人生をより充実したものにするための研究がなされている。(Wikipediaより引用)
今までの努力の考え方。
僕たち人間は、幸せや成功を求め、
努力がそれを手に入れるのに必要だ思い、努力をします。
辞書に載っている努力とは、
「目標を実現するために、心や身体を使ってつとめること」とあります。
「努力」することで、「成功」し、「幸福」になる。
努力 ▶ 成功 ▶ 幸福
このような流れの考え方が昔からあるスタンダードな考え方ではないでしょうか?
必ず幸福になれるとは限らない…
しかし、
全員の努力が報われるとは限りません。
当たり前ですが…
努力をたくさんしてきたけど結果がでなかったり、
また、
成功したけれど、それが原因で不幸になる人もいます。
努力したからといって必ず成功するわけではないし、
成功したからといって必ず幸せになれるわけでもないのです。
幸福感が成功率を上げる?
その成功率を上げるため、
ポジティブ心理学では、成功と幸福の因果関係についての研究が進んでいて、因果関係でもっとも適切である言い方は、
「幸福感やポジティビティが高くなると、
成功率が上がる」
というものでした。
ポジティブで前向きな気持ちでいると、目指すのが何であれ、その成功の確率が上がるというのです。
そして、
幸福度やポジティブな感情を上げることは、難しいことではないようです。
まずは幸福感を高めてしまえば、成功は確率的についてくるとされています。
幸福感UP = 成功率UP
この辺りは「引き寄せの法則」でも、
「自分の経験をより良い変化を起こすためには、現状と他人を無視して、「こうあってほしい」ということに関心を向ける必要なある」と書かれていて、同じようなことが言われています。
話を戻して、
この幸福感やポジティビティを上げれば、成功率が上がるという因果関係の研究結果を
「幸福優位の法則」と名付けられています。
この因果関係は、
2つの角度から説明され、
1つは、人間の脳の機能がポジティブな気分の時でも最もよく働くようにできているという証明。
2つめは、心理学上の実験結果です。
学校のテストの前に、
これまで一番楽しかったことを考えるようにと促された生徒たちは、
それをしなかった生徒たちに比べ、
はるかに良い点数を取りました。
また、診断をする前にポジティブな気分になった医師は、普通の医師より3倍も賢明で想像力が働き、19%も短い時間で正確な診断ができるとの実験結果が出されています。
そして、ポジティブな気分は、ちょっとしたことでも高まると言われています。
良い習慣を継続すればポジティブな気分は上がる!
この「幸福優位の法則」の因果関係の下では、ポジティブな気分を上げることが重要になってきます。
つまりは、
良い習慣が要になってくるのです。
習慣…やっぱり努力が必要なじゃないかと思われるかもしれませんが、
その努力を結果のためにだけに使うのではなく、
ポジティブな気分を上げることや、
良い習慣を継続、維持していくために使うということになります。
今までは努力とは、成功のためにする行動、つまり、仕事や勉強などに向けることが多かったのではないでしょうか?
場合によっては、人間関係で相手を変える努力をしてきた人もいるかもしれません。
そうなると、努力とは忍耐そのものになりがちです。
カウンセリングをしていると、
忍耐を土台とした努力で、
心が疲れている方が少なからずおられます。
忍耐の努力をして耐え、
どうにかなるというもの、また本人がやりたくてやっている場合なら良いですが、
人間関係などで忍耐でどうにもならない問題もあるわけです。
この心の負担をなるべく減らすためには、習慣の力を使い、気分をポジティブに保ちながら行動し、楽に結果に結びつくようにするという考え方がです。
努力 ▶ 良い習慣 ▶ 幸福感UP
幸福感UP = 成功率UP
以前は直接
努力 ▶ 成功率UP
習慣には、
瞑想、何かを楽しみにする、意識して人親切にする、運動する、お金を使う、自分の強みを発揮する
など色々ありますが、
高い幸福感を維持するために、
忘れてはいけないのは、
今ここに生きること。
今ここに意識を集中することで、
ポジティブな気分を維持できます。
成功率を上げるために今を生きることに努力する!
今ここにベストを尽くすことが出きれば、心は安定します。
カウンセリングや、
心理学の世界でよく言われている
「今ここに生きる」
これは、
人は過去や未来を生きることはできないので、今この瞬間をベストを尽くして生きることが最も大切だという原則です。
理屈で考えると、
確かに人は今ここしか生きられませんし、その今の継続が未来へとつながっていきますので、自分が出来るのは今、ここでベストを尽くすことです。
そして、今ここに集中していると、人の心は安定するという利点があります。
しかし、
頭では分かっているにもかかわらず、
カウンセリングをしていると未来に不安がある方、
過去に後悔したり、悲しんだり、責めたりしている方が少なからずおられます。
過去への対処法
人はみんな、過去に辛い経験、嫌な記憶があり、その過去と似たような状況に出くわした時、意識的に、また無意識的に、それらを思い出します。
そして、
ひどく後悔したり、悲しんだり、誰かを責めたり、また、過去の自分を否定したりしがちです。
どのように過去のことを多く考えている時間が多い日々は、いつの間にか、
過去に生きているのと同じような状態になります。
それは「持ち越し苦労」と呼ばれ、
原則に反しているので、
今ここを生きていないことになります。
過去から学ぶ!
ただし、
過去の嫌な経験もそれをじっくりと振り返る、
そこから何らかの学びや教訓を得て、これからの自分の成長につながるならそれは価値があります。
そして、
それらの過去の事例について、
今ここで、反省し学んでいるわけですから、
今ここにベストを尽くしていることになり、原則にあっているということになります。
カウンセリングで過去から学ぶ方法!
苦しい体験であっても、
このような振り返りを2、3回することは価値があります。
カウンセリングでは、
その問題となった過去を再体験し、
当時は冷静に見れなかった部分を今ここの自分が冷静に観察し受け入れるわけです。
そこに沢山の気づきや学びがあります。
行きつ戻りつするかもしれませんが、
そこから学びを得ていわば卒業して生きているのが望ましい方向ではないでしょうか。
過去への解釈を変える?
ただ、
この作業が一旦済んだ後でも過去の嫌な体験を思い出してしまうことは、もちろんありますし、記憶から抹消するわけではありませんので、それを思い出さないようにすることはできません。
ましてや、無理して押し殺そうとするとむしろ感情は暴れだしてしまうかもしれません。
しかし、カウンセリングで
辛い過去を振り返り、それを受け入れ、
そこから学びとったあなたは過去への解釈が変わっています。
嫌な過去をまた思い出しても、
以前のように嫌な過去にとらわれることなく、
自分はあの過去から十分に学ばせてもらたので、もう大丈夫!今に集中しよう!
そんなふうに思えるかとしれません。
そして、
自分の意識を意図的に、
今やっていること
やるべきこと
仕事や勉強や遊びなど
今に切り替えるわけです。
自分の心は自分で変えられるものだという意識を持てば、
マイナスをプラスに切り変えられるようになります。
未来への不安の対処法
未来については、
不安を持っている方が多いのではないでしょうか?
「あの未来が許せない!!」
など未来にぶちギレている人はいないと思います。
感情には意味がある?
感情にはひとつひとつに意味があり、
不安という感情には、
未来に予測される問題を解決するために必要な感情です。
ちなみに、
悲しみの感情は、
過去の問題を解決するために必要な感情、
怒りの感情は現在の問題を解決するために必要な感情です。
不安なら準備する?
話を戻して、
不安という感情ですが、
それにとらわれたり深く考えたりすると風船のように膨らんでいくという性質があります。
そうするとまるで、
今を生きずに未来を生きるような状態になり、これを「取り越し苦労」と言います。
この状態も今ここの原則から外れます。
不安を感じた時には何かを準備し、
対策ができること、今自分にできることがあるならやるべきです。
また、
紙に書き出し不安を細分化して明確にすることも有効です。
得体の知れない不安の風船を作ることなく、何か自分で今できる準備、対策をすれば、
それは、今ここの原則に合うものとなります。
地震も不安…
例えば、
先日、大阪では震度6弱という大きな地震がありました。
はやり、
不安を訴える方は少なからずおられます。
この不安を軽減するために、
それが起きた場合に備えて準備をする、 家族の連絡先を検討する、集合場所などの情報の共有などの準備に当たりましょう。
しかし、
準備をしても未来への不安はまだあるでしょう。
地震などの天災はこちらがいくら備えてもいつ来るかは分からない。
この問題に対しては、何の準備も出来ませんので不安は存在します。
しかし、
このような時には過去の時と同じように、
地震(不安)が来てももうできる準備はしました。
と思って、
今やるべきことに意識を集中し直すという方法が適切です。
まだ起きてない未来を、自分の今出来ること以上にコントロールしようと頑張っても出来ないし、考えても仕方ないのですが、
もし、不安が過去の思考パターンであるとしたら、カウンセリングで過去を探る必要があります。
今ここを生きるということはおそらく多くのカウンセリングで使われているでしょう。
しかし、
頭では分かっていても、ついつい意識は、
過去へ…未来へと…
そんなときは、
過去からは学ぶ、
不安は準備、
この考え方が今できることをやることを習慣にしたいものです。